この世界の何処かにあるという、伝説の “シモ” トークOKなクランを求めて旅に出た私は、「のう○ん」というクランに流れ着いた。
平和なアニヲタたちがひっそりと隠れ住む村落だ。 いや、だった。
ハードボイルドな展開を目指しているはずの私がなぜオタクの隠れ里などに?と思われるかもしれない。
だが、あまり知られてはいないものの、私もまた人知れず深夜アニメなどを嗜む立派なアニヲタだ。 (この事実は特に、若い女性社員の多い私の職場ではトップシークレット扱いだ)
それに、「の○りん」には、“かなたん” こと花澤香菜嬢が中沢農 (なかざわみのり)役でCV参加している。
あの伝説のエロアニメ「化物語」で全国の炉利オタを萌え死にさせた千石撫子(せんごくなでこ)こと花澤香菜嬢が出演しているのである。(大事なことなので二回言いました)
このクランのチャットでは、おそらく書いた瞬間にキックされ永久に出入り禁止を喰らうであろうから、あえてここに書いておきたい。
「花澤♡香菜は俺の嫁やらー」
(フォントを太字拡大文字にできないのが返す返すも残念だ)(※)
これを知るものであれば、私がふらふらとこのクラン名に惹き寄せられ、しばし滞在することになったのも納得であろう。
しかし、まったりとしたアニメ談義に花を咲かせ、ノイタミナの実況に沸くクラチャを夢見て一歩足を踏み入れた私は、ここでも吹き荒ぶ戦争の嵐から目を背けることはできなかったのだ。
その名の通り森を開き田畑を耕し、静かに暮らす農民たちのクランであった筈のここもまた、村人たちは鋤鍬(すきくわ)を火縄銃に持ち替え、今や戦いの日々に明け暮れる戦場と化していた…
「クラン対戦を活発にしていきます」
「強いクランを目指して」
「in率重視にしていきたい」
クラン説明文には、戦前戦中の大日本帝國もいかに、という好戦的なスローガンが並ぶ。 そうして日本はあの底なしの戦火に突入していったのだ…
クラクラ・ワールドのすべてを覆い尽くさんとするこの世界大戦の暗雲は、すでにこんな辺境の風の谷のアニヲタクランまでも飲み込もうとしていた。
私はしばし呆然として、荒れ果てた田畑を前にたたずんでいた…
(続く)
※ ブログ引越しを機に、太字拡大にしてみました♡
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