2014年7月9日

永遠の○(りん)

永遠の0は良いぞ。 何がって、その反戦のメッセージ性、思想が…、な訳ないだろ。
松乃役の井上真央たんにきまってるっしょ。 真央たんかわいいよ真央たん…
いや、違った。

農耕とアニメの里、「の○りん」へようこそ!

だが、戦争がこのふる里のすべてを変えてしまった… のどかな田園風景は見る影もなく荒れ果て、そして人々の心もまた荒廃していった…
もはやクラチャで巨乳や金髪について語るものは誰もいない。 これら愛すべき萌え要素は鬼畜米英のメス豚どもの特徴とされ、それに対して好意的な意見を述べようものなら非国民との謗(そし)りを受け、ひいては特高の監視下に置かれるのだ。(いやいや、私は貧乳も黒髪も大好きデスヨ?)
誰一人書き込むものもないクラチャに、粛々と援軍リクエストだけが表示されては消えていく…

対戦のたびに多くの戦死者を出すこのクランはしかし、連戦連勝、破竹の快進撃を続けていた。
リーダーの打ち出した「in率重視」政策に基づき、メンバーの対戦への参加を義務化する召集令状メールが届く。 赤紙メールを無視して対戦に参加しない非国民メンバーは問答無用でキックされるため、若者たちのクラン対戦の参加率は異様に高い。
新兵ばかりの急造部隊なのは敵も同じ。 同じ低レベルでの戦闘ならば、対戦参加率の高いほうが勝つ。
ただ勝つことだけが目的であれば、個々人の戦術も作戦もさほど重要ではなく、大量の新兵たちを特攻隊にも似た無謀さで繰り返し敵空母に突入されれば良いのだ… 大日本帝國バンザイ!
そして一方、繰り返される戦いの、新兵たちの多大なる犠牲のその影で、アチャ×200(オンリー)で “のうのう” と星一つを連発するリーダー… その戦いぶりは、最初から星三つを取ることなど放棄しているように、私の目には映った。

手段を選ばず勝ち、私腹を肥やし続けるリーダー、そして血も涙もないこの戦略、「in率重視」政策こそが、このクランの強さであり、そしてすべてであった…

…寡黙で冷徹なリーダーの下、年若き英霊たちの血塗られた道程の果てに、ついにクランは負けなしの10連勝を達成していた。
しかし、この祝賀の時でさえも、人々は戦勝ムードに沸き立つこともなく、クラチャは相も変わらず閑散としている…
誰も訪れることのないクラチャを眺めながら私は、追い求める理想郷はもはやここにはないのだと思い知らされていた。

さらば失われしアニメの楽園よ…

ここにはない何か(オトナの展開)を求め、失意のうちに私はまた、新たなる旅路へと重い足を踏み出していた。 
(のう○ん編 完)

0 件のコメント:

コメントを投稿