(フフフ、思っていた通り、いい具合の女じゃないか…)
未攻略ダンジョンなのか?と思わせる程の締まりのよい入り口を抜けると、むっ、とする暑さだ。 むせかえる熱気で息もままならない。 その熱源である厚い肉壁が周囲から覆いかぶさるように迫って来る。 ひだ状に何層にも重なるそのピンク色の壁を掻き分け、乗り越え、ドラゴンはぐいぐいと中に進んでいった。
このまま然(さ)したる抵抗もなく最後まで? と思いかけた洞窟の半ば、やはり、というべきか。 伏兵が潜んでいた。
リリパットAがあらわれた!
リリパットBがあらわれた!
……
アサダチのこうげき!
くっ、こいつは…
ふと気付けば私はいつしか敵の集中砲火の真っ只中にいた。 小刻みにチクチクと私をつつくもの、突然襲うピリ/\としたヱレキテルのような痺(しび)れ、そしてさらに奥からは何かねっとりとした体液を私に吐きかけるもの…
周りから次々と繰り出される、目くるめく刺激が私を襲う。 名器と呼ばれるものが実在するのだとしたら、まさしくこれに違いない。 360度、全包囲からうねうねと間断なく続く心地よい波状攻撃を受け、私のドラゴンも血管が浮き出るほどにいきり立ち興奮している。
しかし私とて平成の丹次郎と呼ばれた漢(おとこ)だ。 その快感がいかほどであろうと、道半ばにして屈する訳には断じていかない。 くびれた腰に手をかけ反撃に転じた私は、容赦なく夢中で奥へと侵攻していった… その洞穴を余す処なくすべて ――
時を忘れ、
後ろから前から、
燃えさかる火炎を吐き散らしながら。
~
じっとりと暗く湿った長い廻廊を抜けると、その奥が突然開け、そこにひとまわり大きな構造物が現れた。 赤黒く立ちはだかるそれは、壁全体から何かどろりとした熱い液体を垂れ流している。
火傷しそうに熱い外壁から様子を探ると、どうやら中は大きな空洞(ホール)になっているようだ。 奥は “迷宮” になっているのだろうか? おそらくは村から逃げ込んだのだろう、たくさんの女どもがひっそりと息を潜め隠れている気配がする。
その入り口は全面ぬるりとした粘膜に覆われ、ひくひくと蠢(うごめ)き私を誘いながらも、ぴたりと固く閉じられている。 これがあの、「伝説の子宮口」か!(※)
洞窟の最深部に隠されたその秘密の扉は、はやる私の行く手を頑(かたく)なに阻(はば)んでいた。 どうやれば入れるのか? だが必ず何か方法があるはずだ…
ヌルヌルとぬめる肉の扉をあちこちと探るうち、私はついに、固くすぼまった小さなくぼみを見つけ出した。
見つけた、ここだ! 満を持して虎の子のバーバリアンキングを解き放てば、いきり立った○○キンは咆哮一発、抜き身の剣先を “迷宮” へと続く鍵穴に突き立て、そこからぐいぐいと剣を押し込み、強引にこじ開けていった…
……あっ、あッ、ああァっ!
おいおい、ちょっと待ってくれよ。 ここを責められるのは初めてか?
女は、おそらくは経験したことのない刺激にびくびくと激しく痙攣をはじめ、侵入から3分と経たず絶叫とともにイってしまった。
早すぎる気はしたものの、私もまた美しい女の狂態ぶりに気の高ぶりを抑えきれず、タイミングを合わせ、迷宮の最奥に持てるすべてを注ぎ込み、そして果てた…
ふぅ…
彼女のすべてを100%蹂躙し尽くした、という圧倒的な征服感に満足を覚えつつ、私はベッドにうつ伏せにくずおれたまま動かない女をぼぅっと見下ろしていた。 激しい行為のせいで乱れた白いシーツに、長い黒髪が乱雑に広がり、顔は見えない。
私は乱れ散った黒髪を梳(す)くようにかき分け、ようやく現れたその美しい、青白い横顔を改めて眺め見た…
と、その時だ。 突然女の首は根元からあり得ない角度で “ぐにゃり” と捻じ曲がり、彼女の顔はいまや真正面から私を見据えていた。 カッと大きく見開かれた彼女の両眼はどうしたことか白目がなくなっており、月蝕の闇のように真っ黒だ。
鮮やかな血の色をした口が、裂けたかと思うほどに “くぱぁ” と開くと、そこから耳を覆いたくなるような怪音が聞こえてきた。
私の脳の奥深くから、虚しくも必死の警報が鳴り響き続けている…
(逃げろ! にげろ! ニゲロ! ニゲロ、ニゲロニゲロニゲロニゲロゲロゲロ…)
…その女は、貞子だった。
梅雨も明けたし、ホラーの季節だよね笑。
(攻撃を終えてふと見たら敵の名前が sadako だった、という、ただそれだけのネタでここまで引っ張る私はやはり相当な変態だな…)
(貞子3P編 完)
(※)ピクシブ百科事典による解説: http://dic.pixiv.net/a/%E5%AD%90%E5%AE%AE%E5%8F%A3
絶頂の後、放心状態の貞子の様子(こんな女を襲っちゃって、後で呪いとか無いと良いんだけど) |
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