- ゲームの最初に貰(もら)えるエメラルド
- 達成項目をクリアしたご褒美(ごほうび)
- 敷地内の障害物、岩や(次々と生えてくる)植物を除去
- 現金(リアルマネー)で購入
そしてこの後者2つのオプションの間には、持てる者と持たざる者を厳しく峻別(しゅんべつ)する分水嶺が横たわっているのだ…
私は、といえば、間違いなく 3. 持たざる者に分類されるだろう。
赤貧の吝嗇(りんしょく)生活を続ける私にとっては、日々にょきにょきと生えてくるモミノキや切り株を伐採し、きのこをチマチマと狩る作業は、欠かすことのできない大切なエメラルド収入源だ。
私の村はまさにこのために綺麗さっぱり、見るからに寂しい庭になっている。 記念品的に一本だけ生え残している季節外れのクリスマスツリーを除けばぺんぺん草一本も生えていない…
一方、4. 持てる者達の庭園は、それは素晴らしいものだ。
彼ら富める者たちの敷地は、植え込みよろしく植物の種類まで揃えて整然と木々が並んでおり、みな大変美しい景観を保っている。
隣の芝生は青い 《The grass is always greener on the other side of the fence. 》、とはよく言ったものだ。 この緑あふれる隣人たちの庭の植え込みは、有り余る緑=エメラルドを他人に見せつける一種のステータスシンボル、お金持ちの証明なのだ。
例えば、割とお手軽な課金プランとしては2500エメラルドセットがある。
2500エメ = ¥2000
この2000円を毎度“ぽん”と出せるお大尽は考えた事もないであろう。 この2500エメラルドを森林伐採により貯めるのには、何か月もの「きこり」生活が必要だ…
生えてくるものはたとえ食えないきのこであろうと、問答無用で伐る!
地球温暖化を防ぐために緑を守りましょう、などと言われても、余計な緑を敷地内に残しておくなど貧乏人には決して真似できないのである。
♥
近年の格差社会を象徴するかのような、この「植え込み格差」だが、クラクラ世界ではまだあまり社会問題化していないようだ。
ここで問題提起のため、そのメカニズムについて詳しく解説しよう。
まずはなぜ、この「植え込み」が富裕層の間でかように蔓延(はびこ)っているのか?
生えてくる植物たちを敷地の外周に残しておく事には、具体的なメリットがあるからに他ならない。
村の周辺部に木などの障害物が大量に並んでいると、敵が攻めてきた時にユニット出しをパッシブに妨害できるのだ。
これは具体的にはどういう事かというと、木などが生えている部分にはユニットを配置できないし、外側から進軍してきた場合には障害物によってその進路が変更される。
このため、ユニットをスワイプで一列出ししようとしても途切れ途切れの配置になったり、狙った場所にウォールブレイカ―を出せない、あるいはウォールブレイカーの進路が変わってしまうなど、ユニット投入時に様々なアクシデントが発生することが期待できる訳だ。
クラン対戦の場合はこれら障害物はすべて取り払われた状態になるので関係ない。
マルチ対戦での防衛に限った話にはなるが、攻める側にとってこの“みっちり”と並んだ植え込みは、物理的にも、そして心理的にもまさに「障害物」として立ちはだかる事になる。
しかしその一方、「植え込み」によるデメリットもある。
障害物の数には実は上限がある。 びっしりと障害物で埋め尽くした敷地には、それ以上新しい植物は生えてこなくなるのだ。
岩や木、それにクリスマスツリーやハロウィンイベントの怪オブジェクトなどは全部まとめて40個(本)まで(※)、それ以上は生えてこない。
※これは、私のような「きこり」により生計を立てているプレイヤーにとっては死活問題である。 なにしろ生活の糧となる新しい木が増えないのだ…
エメラルドの箱は除く。エメラルドの箱は別カウントで1つだけ生えてくるので、これもまたさっさと取ってしまわないと次のエメラルド箱が生えてこなくなる…
そして、これこそがまさに「格差」を生み出す元凶なのだ。
歴代クリスマスツリーなどに彩られた賑やかな植え込み、 だがこれ以上は増えない… |
山林の木を切る(たきぎやエメラルドを切り出す)こと。その職業の人。
この趣(おもむき)をもつ歴史ある日本語は近年、差別用語として忌諱されている。
〔きこり=貧乏〕 というステレオタイプの図式によりこのような差別が生まれてしまったのはなぜか? その遠因は実はこのゲーム、「クラッシュオブクラン」にあったのである…
(カセットビジョン伝説: きこりの与作編)
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